最大の出来事
弁当を渡すときは人目に見つからないようにするのに、一緒に帰ろうとする璃穏を見て、育実は彼がどうしたいのか、よくわからなかった。
寄り道をすることなく、二人で家に帰ると、空夜が先に帰っていた。
「おかえり。どこかへ行っていたのか?」
「ただいま」
どこにも行っていないことを彼に伝えた。
「空夜、ただいま」
「璃穏兄ちゃん、おかえり」
璃穏も育実と同じように言うので、本当の家族のようだった。
言い慣れるまで璃穏は照れていたが、それを聞く育実も照れていた。それを見ていた空夜はいつも二人をからかった。
「育実、璃穏兄ちゃん、三駅先の駅の近くに新しい店ができたことを知っているか?」
「知らない」
自分の好きなものが売られている店がオープンしたことを知った育実は目を輝かせている。
「クラスの女子達が買いに行ったらしいんだけど、安くて美味しいらしいぜ」
「買ってきて」
璃穏が育実の顔を見て言った。今月の小遣いはすでに計画済みなので、買うとしたら来月以降になる。
「無茶を言わないで。金がないよ」
「本当に?」
「育実、金ならまだ余裕であるだろ?俺はわかっているんだからな」
寄り道をすることなく、二人で家に帰ると、空夜が先に帰っていた。
「おかえり。どこかへ行っていたのか?」
「ただいま」
どこにも行っていないことを彼に伝えた。
「空夜、ただいま」
「璃穏兄ちゃん、おかえり」
璃穏も育実と同じように言うので、本当の家族のようだった。
言い慣れるまで璃穏は照れていたが、それを聞く育実も照れていた。それを見ていた空夜はいつも二人をからかった。
「育実、璃穏兄ちゃん、三駅先の駅の近くに新しい店ができたことを知っているか?」
「知らない」
自分の好きなものが売られている店がオープンしたことを知った育実は目を輝かせている。
「クラスの女子達が買いに行ったらしいんだけど、安くて美味しいらしいぜ」
「買ってきて」
璃穏が育実の顔を見て言った。今月の小遣いはすでに計画済みなので、買うとしたら来月以降になる。
「無茶を言わないで。金がないよ」
「本当に?」
「育実、金ならまだ余裕であるだろ?俺はわかっているんだからな」