最大の出来事
「俺さ、育実が中学生だった頃も当然知っているから」

 空夜が突然変なことを言うので、育実は驚いた。

「き、急に何を言い出すの!?」
「あの頃だって可愛かったからさ、見たかったんだ・・・・・・」

 育実は顔を赤くして、口をパクパクと動かしてから卒業アルバムをもう一度見て、溜息を吐いた。

「もう、わかったから・・・・・・」
「見ていいのか?」

 育実は頷いた後、あんまり長い時間見ないように空夜に言った。

「よし!あ、それと育実」
「何?」
「俺、もう少ししたら、ちょっと出かけるから」

 コンビニで買うものを買っていなかったので、それを買うために外出する。

「わかった。気をつけてね」
「あぁ」

 空夜が卒業アルバムを持って部屋の外へ出ると、育実はその場に座り込み、璃穏も同じように座った。

「仲直りして良かったよ」
「あんなの喧嘩ってほどじゃないよ?ちょっと言い合いをしていただけ」
「育ちゃん、これ」

 璃穏に手渡されたのは一個の飴玉。オレンジ味でいい香りがする。

「美味しいよ?」
「じゃあ、いただきます」

 口の中に入れると、璃穏の言う通り、美味しさが広がった。
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