最大の出来事
「計算ではない。そんな奴、馬鹿だ・・・・・・」

 友希が何やら呟いているので、一桜は手を止めた。

「さっきから何を言っているのよ?」
「こっちの話だ・・・・・・」

 四人で協力をしたので、すぐに元通りになった。
 手を洗ってから、廊下を歩いていると、他のクラスの女子が育実を呼び止めた。

「一桜ちゃんの友達?」
「ううん、違う」

 そっと耳打ちをすると、女子が育実に近づくために一歩前に出る。

「ちょっと一緒に来てくれない?信多さん」
「あれ?私がいたらできない話?」

 すかさず隣にいる一桜が口を開くと、目の前にいる女子が言葉を詰まらせる。

「今来さんには関係ない。いいからちょっと来て」

 彼女の手が触れる前に一桜が育実の前に立ち塞がった。

「どうせ大した用じゃないんでしょ?」
「そんなことーー」
「もう私達は行くから」

 彼女の話を遮り、一桜は育実の手を引いて、教室へ戻った。
 一桜と育実が教室へ戻ってきたので、璃穏と友希が近づいてきた。

「遅いぞ。どこまで行っていたんだ?」
「えっとね・・・・・・」

 育実がどう説明しようか考えていると、一桜が代わりに話した。
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