最大の出来事
怖いシーンをしっかりと観てしまった育実は顔を背けようとしたとき、璃穏と思い切りぶつかってしまった。
「ごめん・・・・・・」
「育ちゃん、そんなに怖い?俺はこれくらい平気だよ?」
「私は怖いよ・・・・・・」
ホラー映画の幽霊も怖いけれど、幽霊の出現に驚いて悲鳴を上げている女優の表情もかなり怖い。
音楽が変わって、怖いシーンになりそうなときに目を閉じようとしたとき、璃穏にしつこく耳朶を触られたので、彼を睨みつけてから、視線をテレビ画面に戻した。
「・・・・・・部屋に戻ってもいい?」
「駄目」
璃穏に即答されて、育実は項垂れるしかなかった。
それから二十分経過して、ようやく終わりが近づいてきた。
「ほら、もう終わりみたいだよ?」
「良かった・・・・・・」
もうこれ以上怖いことなんて起こらない。
育実はすっかり安心して、璃穏と映画を観ている。
しかし、最後の最後で最も怖いシーンを観てしまい、育実は悲鳴を上げることすらできなかった。
「ビックリした~」
「さ、さ、最後の・・・・・・」
ほんの一瞬の映像が頭から離れず、育実はカタカタと震えている。
「ごめん・・・・・・」
「育ちゃん、そんなに怖い?俺はこれくらい平気だよ?」
「私は怖いよ・・・・・・」
ホラー映画の幽霊も怖いけれど、幽霊の出現に驚いて悲鳴を上げている女優の表情もかなり怖い。
音楽が変わって、怖いシーンになりそうなときに目を閉じようとしたとき、璃穏にしつこく耳朶を触られたので、彼を睨みつけてから、視線をテレビ画面に戻した。
「・・・・・・部屋に戻ってもいい?」
「駄目」
璃穏に即答されて、育実は項垂れるしかなかった。
それから二十分経過して、ようやく終わりが近づいてきた。
「ほら、もう終わりみたいだよ?」
「良かった・・・・・・」
もうこれ以上怖いことなんて起こらない。
育実はすっかり安心して、璃穏と映画を観ている。
しかし、最後の最後で最も怖いシーンを観てしまい、育実は悲鳴を上げることすらできなかった。
「ビックリした~」
「さ、さ、最後の・・・・・・」
ほんの一瞬の映像が頭から離れず、育実はカタカタと震えている。