最大の出来事
 育実は自分の渡し方が悪かったことに対して謝罪をした。

「育実、今日のドジは何回目?」
「もう!一桜ちゃん!」

 ポカポカと一桜を叩くと、本人はそれを笑いながら受け止める。
 潤一が行こうとしたとき、育実は予備の絆創膏を渡した。

「いいの?もらって」
「もちろんだよ。本当にごめんね、まだ痛むよね?」

 もう痛くないことを伝えると、それを聞いた育実は安心した。

「良かった!」

 育実に満面の笑みを向けられ、潤一の顔が赤くなった。

「じゃあ、俺、行くから・・・・・・」

 育実から視線を逸らして、潤一はドアを閉めて走り去った。

「今、種房君の顔が赤かったような・・・・・・」

 育実は風邪を引いたのかもしれないので、次に会ったときに無理をしないように言うことにして、残っている弁当を食べた。

「育実、今日はどこの掃除?」
「職員室だよ。一桜ちゃんは教室だよね?」
「そうよ」

 全ての授業が終わり、掃除の時間になった。
 一桜と育実が話をしていたら、育実と同じ当番の女子が育実を呼んだ。

「行ってきます」
「行ってらっしゃい」
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