最大の出来事
 璃穏は掃除場所が階段なので、箒をもって、移動した。
 三階から一階まで、ゴミを箒で集めていると、潤一が塵取りを片手にやってきた。

「璃穏、塵取りを持ってきたぜ!」
「ありがとう、助かるよ」

 二人で協力してゴミを取っている間、潤一が育実について話を聞きたがった。

「信多さんと仲が良いよな?」
「うん、急にどうしたの?」
「いや、いつから仲良くなったのかなって思ってさ・・・・・・」

 璃穏は友希や一桜にも同じ質問をされた日のことを思い出した。

「中学は別だよな?」
「うん、あ!今来さんは同じ中学だったことを聞いたよ」
「あの二人がくっついていると、自然に見るよな。微笑ましくてさ」

 璃穏が頷いていると、悠が塵取りを取りにやってきた。

「掃除終わった?だったら、塵取りを貸して」
「あ・・・・・・もう少し待ってくれ!」

 悠は二人がお喋りをしているから、てっきり掃除が終わっていると思っていた。
 そんな二人を叱った後、悠も掃除を手伝ってくれた。

「それで?何の話をしていたの?」
「信多さんの話をしていたんだ」

 潤一が笑顔で言い放つと、悠の顔が険しくなったことに璃穏が気づいた。

「で、どうやって仲良くなったんだ?」
「あ、えっとね、自然にだよ」
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