君がいないと落ち着かない
《何?》
《顔が見たい》
毎日毎日電話かメールだけでは、どうしても足りなかった。
同じ学校なのに逢えない、話せない。一緒にも帰れない。
限界間近だった。
《遊ぼう》
あえて疑問形にはしなかった。
してしまったら確実に断られることが分かっていた。
《いいよ、遊ぼう》
即答ではなかったことが悲しかったが彼女と2人で遊べることが、確定されたことへの喜びで胸がいっぱいになった。
《今週の水曜で学校が終わるから…》
《補習》
《あ!》
反射的に背筋が伸びた。
今回の期末テストでも、千尋は赤点を12教科中5教科取っていた。
《年明けね》
冷静な忍の声と、引き伸ばすことへのショックで何も言えなかった。
《そろそろ切るね》