君がいないと落ち着かない

掛け布団の柔らかさとマットレスの弾力が千尋の眠気を誘う。
布団に顔を埋める千尋に向かって指さして笑いながら言った。
「何にする?」
「…………あっ、千尋って彼女とどこまで行ったの?」
「ん?」
顔を上げて聞いてきた田島を見る。
智弥がベッドの脇で「リア充爆ぜれ!」と叫ぶと、夏井が近寄ってきて智弥とハイタッチした。
結局、夏井は彼女と別れた。
あの後、更に酷い喧嘩をして夏井から別れを告げたらしい。
夏井はそのままベッドの淵に座って、口角を上げて千尋を見て言った。
「千尋、チューはした?」
目が笑ったまま唇を窄めて見せてきた。
脇にいる智弥と下に座る田島が「リア充爆ぜれ!」を手を叩きながら、拗ねたみたいに言っている。
「まだ、メールと電話だけ」
「「「え!?」」」


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