君がいないと落ち着かない
「可愛いよ、どんな子?」
「ん、忘れたよ。え~と…、よく1人でいたかも」
「嫌われてた?」
若干、空気が重くなるのをかんじた。
しまったと思ったが、忍が更に聞いてきたから黙り込むようなことにならなくて済んだ。
「さあ、一度も同じクラスにはならなかったから」
「…でも、1人でいたことは知ってたの?」
「告られたから…」
自慢げに言ってみるが忍の表情は大して変わらず、そのままアルバムを捲り出した。
「2組には?いたの?」
「何が?」
「告白してきた子」
あれ?さっきより声のトーン低くないか?
平静な態度をしているが、じっと見てみれば拗ねているようにも見える。
嫉妬してるのかと気分が上がったが、答えない千尋に苛立ったのか、キツい目付きでこちらを見てきた。
「あ~、この子とこの子と…あとこの子だった気がする…」
「…」