君がいないと落ち着かない

ふつふつと喜びが舞い上がっていく。
忍が千尋に対して妬いていると思ったら、口元が緩んできてしまう。
「…で?付き合ったの?」
頷いて答えたときにふと目が合い、妬いていると思っていた忍が案外、平然としていることに気が付いた。
「ヤった?」
ショックで俯いている千尋に、忍がとんでもないことを聞いてきた。
「はぁ!?小6でするわけないだろ!」
「…じゃあキス」
驚きとショックが混じって、つい強い口調になってしまったことに後悔していると、忍がまたすごいことを言ったので返事に戸惑ってしまった。
「してない!俺は純粋な小学生だった」
「初キスは?」
少し考えてから「中1」と答えると、忍は声を出さず目を大きくして驚いた。
それから火が点いたのか忍が、付き合った日数はどのくらいとか、千尋の脱童貞はいつかなどの質問が降り掛かってきた。
一つ一つに答えていると、忍のバレッタがズレていることに気付いた。


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