君がいないと落ち着かない

それだけでは止まらず、千尋の足が太ももにも乗ってきた。
「…前の彼女とか関係ないだろ?」
「足!足が乗っかってる!」
「好きだよ」
うなじに顔を埋められ、きつく体を抱き締めながら呟かれた。
「……千尋!」
緊張も加担して身体も顔も熱が溜まって汗が出るくらいなのに、更に密着されたら…
「熱い!汗臭いから離れてっ」
「ヤダ、臭くないし」
コイツ…、小学生か!
「離せって!」
「好きだよ、忍」
後ろから顔を伸ばして耳元で囁かれた。
吐息といい、言葉といい、無駄にエロい…
「やぁっ…、」
今のは誰の声だ?
「………忍、感じちゃった?」
「はぁ?」
まさか!私のはずがない
なんて思っていると、回された手が離れた。
と思ったら右肩を後ろに引っ張られて背中が布団に沈み、視界に天井が映った。


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