君がいないと落ち着かない

一緒にいる河崎と林も何のこと?という表情をしていた。
「ちょっとね~」
ふざけながら返すと、河崎が忍の腕を引っ張って林の座る机の前まで来ると林が言った。
「シノちゃん彼氏いるだろ」
「は?」
「河崎が一組の榎本千尋と歩いてるとこ見たんだって」
真っ直ぐ真剣に見上げる林に、問い詰めるような圧迫感はなかった。
切り揃えた前髪が揺れる。
「うん」
言葉と共に頷くと、両端で聞いていたれー子と河崎がニッとはにかんで忍の肩に手を掛けた。
「よく言ったぞ」
「林どんまーい」
眉を下げて下唇を突き出す林にれー子が挑発する。
「シノちゃんは仲間だと思ってた…」
「え?2人共いんの?」
「実はねー」
ぽっかり口を開けて、照れくさそうにおどける河崎の笑顔を見つめる。


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