君がいないと落ち着かない

うわー…思い出せねぇ…
………千尋、ごめん…
「リア充爆発しろー」
林が右手を上げて宣言めいた真似をしてすぐ、次の授業のチャイムが鳴った。



榊に言われたとおり放課後、忍は部活もないのに教室に残って待っていた。
窓側の席に座り、体育館の横にあるグラウンドで活動するサッカー部や陸上部、野球部を眺める。
どれくらい待てば良いんだろう……
ガラッ
突然閉まっていた前のドアが開かれ、その方へ振り向くと千尋が立っていた。
「忍?良かった、帰ったかもって思った…」
部活の練習着に足元を見るとバッシュを履いたままだった。
廊下に人がいないかを確認した千尋は、教室に入って忍の前の席の椅子を跨いで座った。
「榊…分かるよね?あいつに、今さっき言われてさ、部活のミーティング終わってすぐ直行してきた」


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