君がいないと落ち着かない

耳にまで熱が溜まり、真っ赤な顔と自分がした失態が恥ずかしくて手で隠した。
前で千尋が立ち上がり、口元を拭う姿を指の間から盗み見ているのが、目が合って気付かれた。
下がって逃げようとしたが、後ろのロッカーで椅子が行き止まりになり、有余ってそのまま座ってしまった。
手首を捕まれ、顔から離れると千尋と目が合った。
『今日が記念日ね』
そう言って千尋に唇を重ねられ、忍は震えながら息を止めていた。














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