君がいないと落ち着かない

「言われてたじゃん、さっき」
「あぁ」
先輩に言われたことを思い出して答えた。
両方とも紐を緩め終わったが、5番がまだ話したそうに思え、同じようにあぐらをかいて天井を見上げた。
「俺さ、森山に中学の同級生いんだよね」
「はぁ…」
「その子と最近、バイト先のコンビニで久しぶりに会ってさ…」
ん?この話どっかで聞いたぞ?
コンビニ?中学の同級生?
「あんま話したことなかったんだけど、久しぶりに見たらめっちゃ可愛いかったんだったんだよね」
こいつだー!!!
忍が憧れとか言ってた奴じゃん!
「それで?」
「………それで、どうしよ」
会話が止まった。
奴は周りをぐるぐる見回しながら、考え込んでいるようだ。
横や縦に体を揺らす姿は、猫みたいですっげー可愛かった。


< 160 / 192 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop