君がいないと落ち着かない
「青倉は男と仲良くしない」
「何でそう言い切れんだよ」
自分の知らない3年間を知る真田。
まるで彼女を分かりきってるような真田の言葉に、ムッとして冷たく言い返す。
「………ずっと見てたから」
ジッと合っていた目を逸らした真田は、俯いて視線を横に向けると、小さくふてくされたように呟いた。
千尋から見たら、真田の跳ねた髪てつむじに、通った小さい鼻しか見えていない。
忍は、付き合ったらどんな表情を真田に向けて、何の話しをするのだろう。
「…好きだったのか?」
「……それは、分かんないけど」
「分かんないって?」
「好きとかよく分かんない…」
あぁ、と理解した千尋に向かって、真田が肩に掛けていたバックからから携帯を取り出して差し出した。
「榎本のアドレス教えて」
微かに髪から見える肌は、照れているのか、少し赤く染まって見えた。
「お前、顔赤いぞ?」
「え!」