君がいないと落ち着かない

授業中、忍の言ってた“留年”と“退学”の単語が引っ掛かっていた。
留年はしそうで怖いけど…
何であんなこと言ったんだろ…
また色々考えていると、夏井が心配そうな口調で聞いてきた。
「謝るんだろ?」
「うん、電話もメール無視されるけどな…」
手に持った携帯の不在着信履歴を見せる。
「ヤバいな…」
「……千尋?」
「ん?」
真剣な眼差しの田島が、一度戸惑ってから口を開いた。
「青倉さん、最近、図書室で勉強しているらしい…、今日は行くか分からんけど」
中学時代、野球部に所属していた田島は、4人の中でも華奢な方で、耳にかからないくらい短い髪に、顔が小さい
可愛げな顔つきなうえに、目が大きい。
無邪気な笑顔を振りまき、ふざけが過ぎることもあるが、それで気分が楽になったことだってたくさんあった。
改めて思ってみたが、自分と一緒にいる3人と、来年も同じクラスとは限らないんだ。


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