君がいないと落ち着かない

そちら側で勉強する忍の席の向かい側に、気付かれないよう座ってみる。
話し掛けようかと思ったが、嫌がって帰られてしまっては怖い。
何か手段はと考えて、スクールバックの中にあった、今日配られたプリントに文字を書いて折り畳んだ。
忍とは板一枚で区切られてるうえに、その下には3センチほど開いた隙間から、その手紙を差し入れてみた。
入れてから考えてみたが、自分でもすごいことをしたなと、感心してしまった。
すると、送った手紙がそのまま間を通って、向こうから返された。
開いてみると、千尋の汚い文字で書かれた[ごめん]の下に綺麗に連なった言葉が書いてあった。
[こちらこそごめん]
嬉しくなって、また返事を書いた。
[良かった、嬉しい]
[馬鹿]
ニヤケが止まらない。
メールも電話もしてなかった寂しさと、忍の文字を見れることの喜びが入り交じる。
やっべー、超楽しい


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