君がいないと落ち着かない
それから、何回か繰り返しているうちに、返す時間が遅くなってきた。
勉強を邪魔しないように間を置きながらと、千尋も配慮しながら、まだ手紙のやりとりを続けていた。
[勉強すれば?]
隙間から送られてきた手紙に書かれた文字を見て、忍が叫んでいた“留年”と“退学”の言葉を思い出した。
もしかして忍、俺が留年か退学すると思ったのか…
心配して…?
ずっと前、去年の秋ぐらいに忍と話したことを思い出した。
あの時も、忍は千尋に“どこにも行かないですよね”って聞いてきて、千尋が辞めることを気にしていた。
あれ…、あん時俺、辞めないって言ったはずだよな…
忍が千尋の言葉を疑ったことは、今まで一度も無かった。
なのに、千尋が留年や退学をするなんてことを考えて、気にしてしまった。
なんでそんなことを考えてしまったんだろうか…