君がいないと落ち着かない
とりあえず、その気掛かりを取り除くための言葉を書いて送った。
[留年も退学もしない、成績ヤバいけど…]
[勉強]
グサリと刺さる言葉だ。
[うん、する]
それから、手紙は返って来なくなり、のんびりしているうちに、曇りガラスの向こうも、赤色に染められていた。
その日から、部活が終わったら図書室に行って、忍と合流して帰るようになった。
あれだけの喧嘩をしたから、周りにも付き合ってることがバレた。
「もう、どうでもいい」と諦めた忍と、学校で目が合うことが増えた。
話したいが、話す話題もなくて、目が合って笑うぐらいしか出来なかった。
期末試験1週間前から、図書室で向かい合わせに勉強するようになった。
分からない所は丸で囲み、隙間に差し込んで、忍が押し返すまで放置という方法で、やっていた。
一応勉強した千尋は、取り合えず赤点はとることなく、期末試験を終えた。
そしてもうすぐ、卒業式がある。