君がいないと落ち着かない

「シノちゃんって遊園地何着ていくの?」
この質問をされるのは今日だけで5回目。今教室中でこの話題が持ちきりだ。何故かというと、2年生が来週から修学旅行へ行って帰ってくる日に私達1年と3年は遊園地へ行くからだ。
「分からないー。でも羽織るものは必要だよね?」
「うん」
と3人が頷く。
「寒いかな?暑いかな?」
この4人で私服で遊びに行くのは、今回の秋レク-皆そう呼んでる-が初めてだ。
秋レクの話に花を咲かせているとあっという間に休み時間が終わり、チャイムの音と共に席に戻った。


夜、夕食もお風呂も済ませた忍は若干髪の毛を湿らせてベットの上にあぐらをかいてちりばめた服を睨み付けていた。服の山から紅色のキュロット風の短パンを見つけて脇にシワが付くことも恐れず丸めて置いた。ジーンズや足にピッタリするズボンを履かないかぎり黒いタイツを履いて行くことは決めていた。


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