君がいないと落ち着かない

噴水が溢れる広場に出た。
この場所が今、森山の生徒が向かっている集合場所だ。榊を追い掛けて噴水の周りをぐるぐると走った。3週目ぐらい回った後、千尋が榊に飛び掛かった。榊が踏張ってくれたおかげで、2人は倒れることはなかった。
「榊!榎本!」
声のした方へ視線を向けると、学年主任が顔にシワを寄せて千尋達の方へ向かって歩いてくるのが見えた。その顔はほんのり赤くなって見える。
この状況から考えられること…
「お前達!何をしている!」
やっぱり怒っていらっしゃる!
それから千尋と榊は学年主任にこっぴどく怒られた。


「歌うぞー!!!」
「千尋って歌上手いんだろ?」
「バンド組んでるんだろ?」
ソファーに座る夏井達が周りに座る男子達に質問攻めを食らっている。千尋がそういった質問に真面目に答えないで、あやふやなままにするから質問の矛先が仲のいい夏井や田島、榊に向けられることが多い。


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