君がいないと落ち着かない
あの三毛猫書店の場所を聞こうと2組の智弥にメールをすると、数秒で“俺も行きたいけど用事がある。すぐ終わるから一緒に行かせて欲しい”と返ってきた。
千尋は“待ってる”と返し、智弥と一緒に行くことになった。
「静かだ…」
誰もいない放課後の教室は無音と近いほど静かだった。
帰宅した生徒や、部活のために他の館へ向かった生徒などで皆教室を出ていった。
千尋のいる1年の教室を主とするC館にも文化部の部室が各階に1つぐらいはあり、この階には生物部と調理部が活動しているが今日は休みのようだ。
1組~3組までのクラスが並ぶC館3階には、生物室と調理部や家庭科で使う調理室が廊下を前にある。調理室を出て左側に下へ降りる階段がある。この階段がC館唯一の階段だ。屋上へ上がる階段はあっても通行止めのために机と椅子が並べられている。
大体はそこで諦めるが、たまにその壁を乗り越える奴もいる。そして屋上へ行って目の当りにすることになる。