君がいないと落ち着かない

れー子にホームシックのことでからかわれている間に階段を登りきり、林が渡された鍵の部屋に入った。
6人部屋にしては若干せまっ苦しく感じた下駄箱のすぐ傍に、トイレと書かれたドアがあった。
「あれ?もう2人は?」
と忍より先に、入り口を抜けて襖の奥の部屋で荷物を下ろしている林に声を掛けた。

6人部屋のこの一室は私達4人と後、林と同じ部活の2人の子が共同で使うはずだが、まだ2人は部屋にいない。
「まだ捜してるのかな?」
れー子も部屋の隅に荷物を下ろして言った。
「じゃあ、先にジャージに着替えちゃおっか」
河崎の提案に皆がいそいそと大きなバックからジャージを取り出し、着替え始めると閉まる襖の奥から、ぼやけて聞こえた生徒達の話し声や部屋のドアを開ける音が鮮明になり、忍はドアが開けられたんだと気が付いた。2人が襖を開けて入って来た。
「部屋の場所が全然分かんなかったよ」
隣より身長のある1人が言った。


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