君がいないと落ち着かない

「………で?」
「…」
……で?って何だ?
考えている間、質問の意味が分かる3人は何も言わず、ジッと千尋を見つめていた。
「でって?」
引きつった笑顔で3人に問い掛ける。3人はお互いの顔を見合わせてから、夏井が口を開いた。
「青倉忍に告白すんの?」
最初、夏井の言ってる意味が分からなかったが、考えている間に身体中を火照らせていた熱が床に吸い取られるように、足元から抜けていった。
冷めきった頭で考えた。
青倉忍と並んで歩いたり、顔を見合わせて笑いあったり、チューしたり……
「………………したい」
「は?」
「青倉忍とチューしたい」
「「「アハハハハッ!アッハハハッ」」」
3人同時に噴き出した。
教室内に3人の笑い声が響いて、周りにいるクラスメイトもつられるように苦笑いを浮かべている。


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