君がいないと落ち着かない
「ハァ…ハァ…、千尋、お前最高」
「笑い過ぎ、ムカつく」
腹を抱える夏井や田島、榊を1人ずつ付き飛ばす。
よろけた榊が言った。
「じゃあ、告るの?」
「お前、まだ顔が笑ってるぞ」
「……わ、悪い」
千尋は前かがみになる榊を見つめながら、唇を突き出して拗ねた表情を浮かべていると、授業の始まるチャイムで4人は解散してそれぞれの自分の席に戻った。
礼の後、千尋はシャープペンシルの芯の先をぼんやりしま目で見つめながら彼女に告白する自分の姿を想像していた。
いつ、どこで、どんな形で…彼女はなんと返事を返してくるのだろうか…そればっかりが千尋の脳内に浮かんでは消えるのを繰り返した。
考えてるうちにだんだん瞼が重たくなって、いつの間にか夢の中にいた。
夜だ。
辺りは暗くて建物の窓からの光が小さく浮き出ている。