君がいないと落ち着かない

「あ~、ハハッ!それで?」
「ハッ!お前として俺に何の利益があんの?って言ってやった」
「ブハハハハッ!最高…利益とか笑える」
思わず噴き出すと横目で夏井が笑う千尋を見て微笑むような柔らかい笑みを浮かべたように見えた。
「仲直りは?」
「さぁ、自然消滅か仲直りか別れるか…」
「別れんの?」
「さぁね、まぁ自慢するためにチューをせがむ彼女は嫌」
今度は2人で噴き出した。
「ハハッ!」
前屈みにしていた体勢を整えて、それからは馬鹿みたいな話ばかりをして2人は駅へ向かった。


「青倉忍さん」
「…はい?」
「君が好きです」
黒い瞳に潤いが増した。
泣くのかと焦ったが、涙を流したりはしなかった。


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