君がいないと落ち着かない

忍の返事も遠回りながらこれを望んでいた。
「「よろしくお願いします」」
2人の声が廊下に響く。
誰もいない放課後に、2組の教室前の通路に向かい合って立つ彼らの初々しく、たどたどしく危なげで、脆い恋は新たに踏み出していた。



『遊びましょ』
最近やたらしつこく遊びに誘ってくるメールを送り付けてくる“千尋”にイラつく忍。
1年の中で一番目立つ千尋と付き合ってること、恋愛に対して以上に盛り上がる女子に知られたら色々面倒くさいから、学校内で話しかけることは禁止にしている。
彼らにが付き合ってることを知ってるのは千尋とよく一緒にいる友達だけで、忍は林達にさえも言ってない。
ブーブー
お昼にお弁当を食べていた時、忍の携帯がバイブレータの振動で揺れる。
メールの着信を開くと千尋からだった。
〔遊びましょ~〕


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