君がいないと落ち着かない
〔黙れ〕
冷たく返す。
そうすれば当分千尋からメールを送っては来ないからだ。
「珍しいね、シノちゃんが食べてる時に携帯取り出すなんて」
脇に座る林が驚いたように言った。
「うん、まぁ…」
「誰だ!彼氏か!」
河崎が飛び付くように食い入る。
これが面倒だから言いたくないんだ。
「うるさい、ご飯粒飛んでるから」
めんどくさそうな表情をしながら飛んだご飯粒を指差す。
今日は河崎の机を中心にして周りの机を集めて食べてて良かったと思っていると、また携帯が揺れた。
〔クリスマス〕
ただそれだけのメールだった。
期末試験も終わり、後は午前中授業を残すだけとなった2学期はあっという間だった。
千尋と付き合ってからもう3週間は経っているが、恋人らしいことは何一つしていない。
登下校を一緒にしたり、手を繋いだり、遊んだり…。