オフィスラヴ-鬼上司の対処方法ー
「勇生さんは私のコトなんて・・・好きじゃないないのね・・・よーく分かりました・・・」

私はソファから腰を上げてリビングを出ようとした。

「待てよ。巴」


振り返ると勇生さんが私を優しく抱き締めてくれた。


「・・・」

「俺だって・・・お前のコトが好きだ。最初は全然俺の好みのタイプじゃないし、ドジで馬鹿で天然のお前のどこがいいんだと…俺自身認めたくはなかった・・・」

勇生さんは本当に私のコトが好きなのかと疑うぐらい毒を吐いた。

「本当に私のコト好きなんですか?」

「悔しいけど・・・そうみたいだ・・・」

「悔しいって・・・」
勇生さんは悔しそうに唇を噛み締めながらも瞳は熱っぽかった。

「悠真に付き合うと宣言された時、正直戸惑った。
それからずっと考えるコトと言えば、お前と悠真のことばかりで・・・」


「・・・」


「俺はお前を悠真に渡したくない・・・」


勇生さんは耳許で熱く優しく囁いた。

「好きだ。巴」


彼は鬼上司でもなく、義理の兄でもなくなった。

今、目の前に居る彼は私の恋人だ・・・

私達は偽物ではなく、本当の恋人になれたのだーーー・・・

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