オフィスラヴ-鬼上司の対処方法ー
私達は揃って、両親の住む新居に訪問した。
東京ベイランドにタワーマンションの30階が二人の愛の巣。
部屋はモダンな内装でお洒落な家具や調度品で雰囲気で統一されていた。
「そう二人とも交際するコトになったの・・・私の作品作りに協力する為にも、この契約書にサインして」
「えっ!?」
母がローテーブルに広げたのは婚姻届けの紙。
「これって婚姻届けですよね・・・」
「そうよ。勇生ちゃん」
「・・・俺たち、交際始めたばかりですし…結婚はまだ・・・」
「あら、二人に早く結婚してもらわないと・・・私たちが困るのよ」
「お二人は既に、婚姻届けを区役所に提出したんじゃ・・・」
「まだよ。
二人が上手くいけば、出すつもりで…まだこの通り手許にあるのよ」
母がもう一枚、婚姻届を広げた。
そこには二人のサインと捺印がしてあった。後は区役所に持っていくだけ。
私と勇生さんは顔を合わせる。
「わかりました。俺たちも結婚します!!」
「勇生・・・さん!?」
「巴の面倒を見られるのは俺ぐらいしか居ませんから・・・」
勇生さんは軽い毒を吐くと、婚姻届けにサインをし始めた。