オフィスラヴ-鬼上司の対処方法ー
「お前…店に入る前に俺のコトを部長と呼ぶなと言ったのに…何…忘れてんだよ!!」



部長は堰を切らしたように私に怒鳴った。



「す、すいません…どうしても…恥かしくて…呼べませんでいた…」



「おかげで…香奈枝には社内恋愛されてると誤解され…挙句には…全く」



部長は盛大な溜息を吐いて、またジントニックを飲んだ。



私もカンパリオレンジを口にした。



「…今夜…お前に頼んだ偽カノの件は誰にも口外するな…」


「分かっています」



「ならいい…」


「ちなみにもし…口外したらどうするつもりですか?」




「…殺す…」



「ええ~っ!?」


「冗談だよ…冗談…俺も犯罪者にはなりたくないし」



アルコールは入ったせいか部長は私に笑顔を見せる。

笑って垂れ下がった部長の目尻に親近感を感じた。
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