オフィスラヴ-鬼上司の対処方法ー
「22年間…俺と親父の二人暮らしだったから…もう親父は一生独身だと思っていた」


「私の父親は生まれた時から居ませんでした…」


母は未婚で私を産み育てた。私の父親は歌舞伎町に居た駆け出しホストだと教えてくれた。



「父親が居ない?それはどう言うコトだ?」



「母は未婚で私を産みました…」


「そっか…」


有栖川部長は深く詮索はしなかった。


「タクシー乗り場まで…送るよ」



「一人で帰れますよ…」


「何言ってんだ!?俺はお前の面倒を見ると倫子さんに誓った。遠慮はするな」



鬼だと思っていた上司が優しい表情を見せる。


辺りの照明の具合か…有栖川部長の顔は艶やかに映った。



「行くぞ」


「はい」

私は部長の厚意に甘え、一緒にエレベーターホールまで歩く。


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