オフィスラヴ－鬼上司の対処方法ー

ACT７♥お見合い相手の裏事情

―巴side－

瀬川さんは社内と同じ、凛とした落ち着きのある態度で見合いの場に現れた。


私は緊張で眠れず、気を緩めたら睡魔に襲われて、今にも眠りそうだった。



「倫子さんからおよそは訊いていたが、なかなかのイケメンだな」



「有栖川部長には神楽坂社長共々…仕事の目では大変救われております」


「ウチの勇生は神楽坂社長から頼りにされているようで安心した」



瀬川さんと有栖川社長だけが会社の話で盛り上がっていた。


私の想像していた見合いとは程遠いイメージ。


私はコーヒーを啜り、ぼんやりとガラスの向こうの日本庭園を眺める。



「すいません、綾部さん…」


瀬川さんが私に話を脱線させてしまったコトを詫びた。



「すまない、巴ちゃんと瀬川さんの見合いの席だと言うのに、でしゃばってしまって」
瀬川さんの詫びに有栖川社長も便乗した。


「いいんですよ。有栖川社長」