オフィスラヴ-鬼上司の対処方法ー
社長は有栖川部長の執務室で待っていた。

「失礼します」

ドアを開けて入るとソファに座る神楽坂社長と目が合った。

サラサラした黒髪に色素の薄い瞳、整った顔の神楽坂社長。

私は思わずうっとりと見つめてしまった。

神楽坂社長に魂を抜かれた私を見つめ、有栖川部長が軽く咳払いした。

「君が瀬川の見合い相手か…なかなか可愛らしいね」

社長が私のコトを…

可愛らしいと褒めた。私の脳内には何度も社長の言葉がリピートする。

「綾部…立ったままでは社長に失礼だ。私の隣に座りなさい」

有栖川部長が自分の隣に座るように指示する。


「申し訳有りません」

私は部長の隣に腰を下ろした。


「彼女が綾部です」

「綾部さんには昨日のコトについて…一言謝ろうと思ってここに来た」

「社長が謝罪ですか?」

「紗耶香に二人の見合いを話したのは俺なんだ。瀬川と紗耶香はね・・・」

「二人はお似合いカップルだと思います。私は身を引きますから…安心して下さい」



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