オフィスラヴ－鬼上司の対処方法ー

勇生side－

俺は社長をエレベーターホールまでお見送りした。

「君も本社勤務になって何年だ？有栖川部長」

「あれこれ５年半です」

「５年半か・・・君も若いながら…部長職とは出世頭だな」

「社長、お褒めの言葉ありがとうございます」

「瀬川の為とは言え、綾部さんには申し訳ないコトをした」

「後は私に任せて下さい。社長」

「そうだな。綾部さんのコトは君に任せるよ」

社長は開いたドアのエレベーターに乗りこみ、俺に軽く手を振った。

俺は一礼して、社長に敬意を払った。
社長を乗せた金属の箱は幹部フロアへと戻る。


わざわざ、社長自ら綾部の元に来るとは。
社長も結婚して優しくなられた。

今まで纏っていた冷たいベールが脱げたと言うか。

俺が踵を返してフロアに戻るとデスクを立ち、慌てて綾部が歩み寄って来た。