オフィスラヴ-鬼上司の対処方法ー
「ともかく…これは全部持って行きたいんです。お願いします。部長」

「・・・」

最近の部長は私の押しに弱い。
特に上目遣いの瞳で見つめれば、渋々折れてくれる。

「わかった」

今日も私の押しに負けて、段ボール箱を車のトランクに全部積み込んでくれた。

「漫画ってこんなに重かったんだな・・・」

「だから…部長にお手伝いをお願いしました」

「綾部お前なぁー。俺をこき使えば後でどうなるか分かってんのか?」
部長は恨み辛みを吐くが、それは口先だけだと思っていた。

「最近の部長は優しいから・・・」

「俺だってスキでお前に優しいワケじゃない。家族だから…優しくしてやってるだけだ。綾部」

家族…

家族にならなければ、部長と接近するコトもなかった。

鬼上司のままだったと思う。




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