オフィスラヴ－鬼上司の対処方法ー

二人でお喋りしている間にエレベーターが５階で停止。

入れ違いに若いカップルがエレベーターに乗り込んだ。

エレベーターの扉が閉まり、１階へと降りて行く。

「こんな所で身内に会ったら、大きな誤解されるな」

「そうですね。私は過去に高校時代の同級生だった男の子に偶然会いました。相手もまた…高校時代のクラスメイトでの女の子で・・・」

「ふうん」

私達は５０５号室に到着。

私はドアをノックした。


「巴お嬢様」

ドアを開けてくれたのは編集部の笠原亨（ｶｻﾊﾗﾄｵﾙ）さんだった。入社８年目の３０歳。
茶色がかった柔らかそうな髪質の持ち主で人懐っこそうな雰囲気のイケメン。
犬で例えるならゴールデンレトリバー。


お母さんの担当になって４年目だった。

「笠原さん、母の着替えを持って参りました」

「どうぞどうぞ」

笠原さんはドアを全開させて部屋の中に入れてくれた。