オフィスラヴ-鬼上司の対処方法ー
「勇生さん」

「!?」

部長は私に名前を呼ばれ、ぶっとコーヒーを吹き出した。

「これは失礼しました」

部長は慌てて上着のポケットからハンカチを出して、汚れた口許を拭く。

「俺の名前を呼ぶなんて…いきなりなんだ?綾部」

「私は一度呼んでみたかっただけで」

「綾部??」

「私…部長には社内でも私生活でも苗字で呼ばれているの」


「部長ね…二人とももう家族なんだから…綾部と部長は無いでしょう?オフィスでは仕方がないけど…プライベートでは、勇生ちゃんは巴。巴はお義兄ちゃんと呼びなさい」


「「!!?」」


「お義兄ちゃん・・・」

「巴・・・」

互いに戸惑うような声で呼び合った。

「それでいいわ」

お母さんは一人で納得して、カップのコーヒーを飲み干した。




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