ミカンとおれんじ ~High School~
廊下を走っている時、幻聴の様にみんなの声が聞こえた。


「綾場さん、先生を殴ったんだって」

「えー、大人しい顔して、やるねぇ」

「怖ーい」


嫌っ......嫌ぁっ!!



教室でも、今まで仲良かった友達まで遠巻きにあたしを見て、ヒソヒソと話していた。


誰も、アタシを信じてくれないんだ......。



家でも......


「学校で問題を起こすなんて......棗の受験の邪魔になったらどうするつもり!?周りに迷惑かけないで!!」

「......馬鹿じゃない?お姉ちゃん」

「もういいよ。お前の好きにしなさい。......もうお父さんは、疲れた」


お母さんも、棗も、お父さんも......。




誰も、アタシを信じてくれないんだ――――。



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