ミカンとおれんじ ~High School~
「......あたしも、綾場さんと同じだよ」


あたしの言葉に、綾場さんが「へ?」と眼を見開く。


「何で?あんた、他人に嫌われそうには見えないけど......」


あたしは横に首を振る。


確かに、綾場さんの様に不良扱いされる事は無かったけど。


「確かに、綾場さんのみたいに誤解される様な事は無かったけど、......あたしもね、母親に嫌われたくないって、大好きなギターを我慢してたの」


けど......


その呪縛から助けてくれたのは――――


「だけどね、今は、大好きな人と、その味方のおかげで......今、ギターを弾けてる」




――――萩尾くん。


  そして、秋梨くん。




彼らのおかげで、あたしは今、大好きなギターが出来てる。
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