ミカンとおれんじ ~High School~
「だから、綾場さん。学校に来なよ」


すると、綾場さんの顔がみるみる曇る。


「......今更行けないよ。絶対何か言われるし」


「その時は、あたしが綾場さんを守る」


ギュッと、綾場さんの両手を握る。


あたしがいる。大丈夫。




「学校には、あたしの仲間がいる。もし来たら、何か世界が変わるかもしれないよ」




綾場さんは、悩むように、苦しそうな顔をした。


自分の中の誰かと、葛藤するように。
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