ミカンとおれんじ ~High School~
だけど――――......10歳の頃の『あの日』。


そのおじいちゃんが、バイク事故で亡くなった。


57歳。まだまだ、普通の人なら生きられる年齢だった。


遺影の中で笑っているおじいちゃんを見つめながら、お母さんは涙を流していた。


そして、あたしがギターを弾く度、こんな事を言う様になった。


『ギターやバンドなんてなんてふらふらしたモノに興味を持つな。おじいちゃんみたいにチャラチャラして、早く死にたいの!?』


自分の父親と同じ道を、娘に歩んでほしくなかったのかもしれない。


将来の事も、良い高校、良い大学、良い会社を求める様になった。
< 56 / 128 >

この作品をシェア

pagetop