ミカンとおれんじ ~High School~
「? そう?あ。あたし、もう戻るね。一緒に戻ろ」


と言うクラスメイトに、軽く笑って、


「あ、良いよ。あたし、まだここにいるから」


と言った。


ちゃんとその子が去ったのを見届けると、あたしは隅にひっそりとあったギターに目を移した。


「......久しぶりだな......」


あたしには、他の人には秘密の趣味がある。


秘密であるせいで、他人の前では出来ないため、出来る機会が少ないんだけど......。


今なら、誰もいないし、少しだけ......。


「......よいしょ」


『それ』を持って、近くにあった『それ』の相棒を手に取る。


フゥ――――と深呼吸をして......
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