聖なる夜に永遠の約束を【クリスマス企画】
前日まで会っていた実花と、病院のベッドで横たわっていた実花は、まるで違いなど一つもなく、ただ眠っている様だった。
「実花!実花~!起きろよ!」
周りの制止などお構いなしに、実花の体を揺さぶったけれど、目を開けてくれる事はなかったのだった。
そしてその後、実花のお母さんから渡された物がある。
それは、潰れたクリスマスプレゼント。
どうやら、実花が俺に渡す予定だったらしい。
涙を堪えながら赤い包みを開けると、そこには俺の好きなブランドのマフラーが入っていた。
深いグリーンのマフラーと共に、一枚のクリスマスカードも入っていて、実花の字で書かれていたのだった。
『柊と、これから毎年クリスマスを一緒に過ごしたい』
そのカードを見た途端、堪えていた涙が溢れ、文字が滲んだ。
俺は、実花を迎えに行く事を面倒だと思っていたのだ。
そのせいで、実花はこの世から去ってしまった。
俺のせいで、願いを叶えてやるどころか、結局たった一度しか、実花とクリスマスを過ごせなかった。
ごめんな、実花。
これからは毎年クリスマスには、実花の側に誰よりもずっといる。
約束するよ。
それから去年まで、月命日とは別に、クリスマスの24日と25日は、実花のお墓に行く事にしている。
返事はないけれど、日常生活の話をしていたのだ。
仕事の愚痴や…、いや愚痴ばかりか。
それを聞いてもらっていたのだった。
実花の命日は24日。
クリスマスイブ。
一年の中で、俺にとっては最も辛い日だ。
だけど、そんな俺も実花と永遠の別れをしてから3年。新しい恋をした。
去年、会社の後輩である紗雪に告白をされ、付き合っている。
4歳年下の紗雪は、小柄で可愛いタイプだ。
俺は身長が180センチあるから、だいたいの女性は自分より小さい。
だけど、紗雪はさらに小さく感じるくらいの華奢なタイプだった。