ドレミで愛を奏でよう
「はぁっ…待ってっ待ってくださいぃ~」


呆然と立ち尽くす男の人を置いて、私たちは学校への道を歩いていく。


…って言っても、私は手を捕まれてて、引きずられてる感じなんですけど。


「待ってくださいぃ」


何しろ足の長さがまず違う。


すたすたとはや歩きみたいな歩幅で歩く高野道也様。

ピタッと突然立ち止まる。

「何、してたの」


あぁ、その事ですか。


「あっ…何か急に声をかけられて…カツアゲだと思って『いくらですか?』って聞いたら、『いくらがいいの?』って聞いてきたんです」


 
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