ドレミで愛を奏でよう
「それで、私手持ちが5千円しかなくて。5千円でいいですか?って聞いたら、じゃ、行こうって。金額が気に入らなかったのだと思うんですけど…」


私はさっきあった出来事を高野道也様に話した。


「おい。何故そうなる?」

「はい?」


「なんでそこで“カツアゲ”って解釈になるんだよ」

「え?だってこんな地味で冴えなくて可愛くない私に話しかける男の人なんて、“カツアゲ”目的か、そんな人しかいないでしょう?」


「……」


黙り込んでしまう高野道也様。 


うん。そうだよ。


自分で言って自分で納得。

あ、校門見えてきました。

私は外していた眼鏡をかけて、髪の毛を束ねた。
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