ドレミで愛を奏でよう
「それってさ、人が死んでそうだったから?」


それとも…


俺はずいっと音色に顔を近づけた。


もう少し近づけば、簡単にキスできてしまえる距離。

音色の大きな瞳に俺が映る。


「他の誰でもない、俺だったから?」


しばらくの沈黙。


あー…


俺は何言ってんだ。


やめよう。今ならまだ間に合うー…


「なんてな♪」


「へ?」


「冗談。からかってみただけ。つか。歌でどうやって死ぬんだよ」


俺は音色に「ばーか」と言って笑った。


その瞬間、部屋に誰かが扉をノックする音が響いたー…
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