ドレミで愛を奏でよう
私の将来の夢は歌手になること。


小さい頃、一度だけ両親に連れていってもらった大好きな歌手のコンサートを見て。


それがとってもキラキラして見えたんだ。


私もこんな風にキラキラに輝いて見たいって思ったんだよね。


て、地味メガネが何を言ってるんだって感じですよね。


すみません。


まぁ、そんなわけで。


歌うのは大好きなので毎日といっていいほどカラオケに来ているんです


「一曲目っ…と」


私は邪魔な眼鏡を机におき、三つ編みをほどく。


マイクを片手でギュッと持って、すぅっと息を吸った。


本当に。


歌ってる時って、一番、輝けてる気がする。


あ、サビ。


「ずっと君のことがー…」

“好きでした”


歌詞がテレビ画面に映し出される。


「好っ…」


ガチャッ


ほぇー…?


開くはずのない扉が開かれて私は驚いて目を丸くした。


入り口の前にポカンと口を開けて立っていたのはクラスの男子、高野道也だった。                                                    
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