ドレミで愛を奏でよう
「あのね、歌ってたらね「たまたま、会ったんだよ。ここで」」


私の声に重なる道也君の声。


「それで、歌のことを神埼が黙っててって言うから、俺のこの性格も黙ってるって約束をしただけ。」


すらすらと話を続けていく道也君。


何で?


さっきまで“音色”って呼んでくれてたのに。


“神埼”になってるよ?


確かにたまたまだけど、確かにそうだけど…。


嘘でも付き合ってるんだよね?


それとも、潤に言わないってことはからかわれてただけなのかな?私。


改めて道也君からそう聞くとまるで他人事のように聞こえる。


 
< 52 / 80 >

この作品をシェア

pagetop